未経験から組み込みエンジニアになりたいと思っている方も多いと思いますが、実際には未経験採用は少ないのが現実です。
どうして未経験者には厳しいのか、未経験から組み込みエンジニアになるにはどうすればいいのか?
この動画では、その理由と対策について詳しく解説していきます。
育つまでに時間がかかる
一人前の組み込みエンジニアとして育つには、数年単位の時間がかかります。
プログラミング言語の習得はもちろん、ハードウェアを理解し、付随する周辺機器、
例えばオシロスコープや信号発生装置、テスターなどを使えるようになる必要があります。
何より時間がかかるのは、バグを出さない品質を担保できるだけの設計能力を身につけることです。
この経験は現場にいないと難しくて、失敗しながら学んで質を高めていくしかありません。
未経験が歓迎されないのは、こうした現場経験から得られる知識やテクニックが不足しているからです。
未経験から自力で脱するには
私は別の動画で、組み込みをやりたい未経験の人は「とにかくまずは何か作って動かしましょう」と伝えてきました。
これは作る過程で知識が身につき、気づきや発見が得られるからです。
例えば、ESP32のマイコンを使ってArduino環境で1秒おきにLEDが点滅を繰り返すLチカの回路とプログラムを作ったとしましょう。
この時、1秒を待つという動作を実装するには、delay
関数で待つ方法とmillis
関数で待つ方法の二つがあります。
これはどのように使い分ければよいのか、とか、自力でやっていく中で調べてやってみることに価値があります。
また、組み込みは最初何をやるにしてもつまずくことが多いです。
仕事で取り組む場合、こうしたつまずいている時間は企業側の損失に直結します。
さらに、誰かがフォローに入ったとすると、その人の工数が取られてしまうため、
結果としてパフォーマンスが下がります。これもまた、未経験が歓迎されない理由の一つです。
組み込み業界は慢性的な人手不足ではあるものの、誰でもいいかと言われれば、それはちょっと難しいというのが実情です。
たくさんつまずいて成長する
開発中につまずく経験は、早いうちにたくさんしておくべきです。
特に仕事ではなく、自主学習のうちに経験しておくのが望ましいですね。
実際の開発現場で納期がせまる中、つまずいて時間が過ぎていくのを考えてみてください。
結構、精神的に来るものがあると思いませんか?
実際、エンジニアが病むのは、こうした状況に置かれた時です。
そして、自主学習で生じたつまずきをどう乗り越えたかは忘れてはいけません。
企業との面接で未経験者が自主的に組み込み開発を勉強したと話した場合、何か開発途中で困りごとがあったか聞かれると思います。
これは、どういう内容でつまずいたか聞かれているのではありません。
そうした状況をどのように解決したかが問われています。
組み込み開発の現場でも、開発途中につまずくことはよくあります。
こうした場合にいかに対処するかは、その人の性質を見るためにも、採用側からすれば知っておきたいところです。
と言っても、実際は「ネットで調べました」とか、「デバッグしながら原因箇所を特定しました」とかしか言えないんですけどね。
自主学習でやってほしいこと
自主学習に際して一点、自分が採用側だったとして「できればこうだったら嬉しいな」ということを挙げておくと、マイコンの機能設定をレジスタ単位で理解していることです。
Arduinoでも他のマイコンでもそうなのですが、
機能の設定や動作が何かと抽象化されていて、関数一つで手軽にできて便利になってきています。
例えば、ArduinoでGPIOのピンを設定するpinMode
関数とか、AD変換をするanalogRead
関数とか。
これらは抽象化されていて、裏で関係するレジスタの設定が行われています。
レジスタに何を設定するのか、何の情報が必要なのか、設定を変えるとどうなるのか。
こうしたことについて自分で取り組んだ経験があると、動作全体を俯瞰して見れるようになっていきます。
そのため、レジスタ単位の理解は大事です。
まあけど、とはいえ、そういうことを勉強して現場に出るのが遅れるぐらいであれば、
多少わからなくても早々と現場に出た方がいいとは思います。
やはり現場の空気感っていうのは、いいもんですよ。
今の時代、ChatGPTに聞けば、たまに嘘をつくこともありますけど、すぐ情報を与えてくれますからね。
サンプルソースコードも調べればネット上にたくさん出ているので、
それらを組み合わせて高度なものを作るのも簡単になってきています。全くいい時代になったもんです。
というわけで、組み込みに未経験が歓迎されない理由として、
・現場経験がないゆえに成長に時間がかかってしまうということと、
・チームでフォローするとなった場合に全体のパフォーマンスが下がってしまうこと
があります。
自分で何かを作って苦労したという経験は、現場に出るまでに貴重な機会となるので、どんどん挑戦していきましょう。
では、これで終わります。ありがとうございました!
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